こんにちは!
平取町で空き家コーディネーターとして活動している協力隊員です。
早いもので、この仕事を始めてから1年が過ぎました。
知識も経験もゼロからのスタートでしたが、地域の皆さんに支えられながら、何とか1年間を走り抜けることができました。
今回は、この1年間でどんな活動をしてきたのか、どんな成果が出たのかを、皆さんにご報告させていただきます。
空き家問題に関心のある方、地方移住を考えている方、地域おこし協力隊に興味のある方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
目 次
平取町の空き家の現状とスタート時の課題
私が着任したとき、平取町には約300件の空き家がありました。
私はこれらを「ひとりぼっちになっている家」と呼んでいます。
その中で、活用できそうな状態の家は122件。
これが私の最初のミッションでした。
この122件の所有者の方々とコンタクトを取り、平取町の空き家バンクに登録していただくこと。
これが最大の目標だったんです。
空き家のランク分けと調査方法
対象となる住宅は、状態によってA・B・C・Dの4つのランクに分けられています。
Aランクは、外観塗装や内部の張替程度で住める物件。
Bランクは、設備や壁、床などの修理も必要な物件です。
私が担当したのは、このAとBランクの122件でした。
まず始めたのは、町外に住んでいる所有者の方々への郵送です。
空き家バンクの案内や町の補助事業の情報、法律改正の資料などを送り、お返事を待ちました。
同時に、リストアップされている全ての住所を実際に訪問して、建物の状況を確認しました。
前年度からどう変化しているか、今も活用できる状態かをチェックしていったんです。
町内に住んでいる所有者の方々には、直接訪問して面談をさせていただきました。
同じ資料を持参して、一軒一軒お話を伺っていく地道な作業でしたが、これが後々大きな成果につながっていきます。
地域の声を聞く「あったらイイな」アンケート
空き家を活用するには、ただ「家がありますよ」と紹介するだけでは不十分です。
移住を考えている方にとって、「その地域で何ができるのか」「どんな魅力があるのか」が重要なポイントになります。
アンケートで見えてきた地域のニーズ
そこで実施したのが、地域の皆さんへの「空き家・空き店舗の活用についてのアンケート」です。
「地域にこんなお店があったらいいな」「こんな施設がほしいな」という声を集めました。
結果、第1位は「カフェ」でした。続いて「雑貨・日用品店」「飲食店」「宿泊施設」という順番です。
地域の方々が日常生活で感じている「あったらいいな」が、はっきりと見えてきました。
ちなみに個人的には、リラクゼーションサロンがあると嬉しいなと思っています。
パソコン作業で肩こりがつらくて…(笑)
このアンケート結果は、所有者の方と移住希望者の方との話し合いで、一つの提案材料として活用できます。
「売る・買う」「住む・残る・帰ってくる」、どの選択をするにしても、そこに理由や魅力があれば、決断の後押しになるんです。
春から冬へ、少しずつ動き出した成果
郵送した手紙への返事が少しずつ返ってきたり、訪問先で「登録を考えてみようかな」と言っていただけたり。
ゆっくりではありましたが、確実に空き家バンクへの登録と売却の両輪が回り始めました。
4月から12月までの9か月間の実績
この期間に取り扱った件数は「21件」。
そのうち「10件」が売却または賃貸として成約しました。
ひとりぼっちだった家に、再び灯りがともり始めたんです。
初めての仕事だったので、この数字がどれくらいの評価なのか気になってAIで調べてみました。
すると、実務者視点で考える「過疎地域での中古物件獲得件数」は「1社あたり年間0〜2件程度」とのこと。
ということは…すごい成果を出せたんだと自画自賛です!
もちろん、これは私一人の力ではなく、地域の皆さんのご協力があってこその結果です。
住宅相談会の開催と地域との交流
冬期に入ってからは、住宅相談会を6会場12回開催しました。
新聞折り込みやチラシ配布で広報活動も行い、地域の皆さんと直接お話しする機会を増やしていきました。
相談会では、土地建物の処置要領や建物の活用、譲渡・名義変更、相続から売却・未登記物件の処置まで、さまざまなご相談をいただきました。
総件数は8件で、それぞれ処置済みや継続中の案件として対応を続けています。
セミナーの依頼を受けることもあり、地域の皆さんとのコミュニケーションが深まっていることを実感しています。
空き家バンクへの問い合わせと成約実績
2025年度に入ってからも、空き家バンクへの問い合わせは21件ありました。
その内訳は、移住目的が17件、2拠点居住が2件です。
利用者の特徴
問い合わせをいただいた方の特徴を見ると、男性が16名、女性が5名。地域別では町外からが12件、町内からが9件でした。
年代別では、40代が6名、50代が5名と、働き盛りの世代からの関心が高いことがわかります。
30代も3名、20代も3名いて、幅広い世代の方が平取町での暮らしに興味を持ってくださっています。
コーディネーター取り扱いの登録・更新・売買実績
2025年度の取り扱い実績は、賃貸・土地を含めて21件。
そのうち売買等の契約成立は10件で、内訳は売買8件、賃貸2件です。
特筆すべきは、寄付受け2件、バンク掲載なしでの取り扱い売却2件があったことです。
これは、地域の方々との信頼関係があってこその成果だと思っています。
地域別の詳細を見ると、本町が7件で最も多く、次いで振内町が5件、紫雲古津が3件と続きます。
本町では寄付受け2件、売却4件という実績があり、振内町でも売却3件という成果が出ています。
現在準備中の案件も、本町2件、貫気別2件、二風谷1件などがあり、今後も成約につながる見込みです。
イベント開催と地域との深い関わり
夏期には、食に関するイベントを開催させていただいたり、地域のイベントのお手伝いをさせていただいたりと、これまでの経験や知識を活用していただける機会がたくさんありました。
地域の皆さんと一緒に汗を流し、笑い合い、交流を深めることで、「よそ者」ではなく「地域の一員」として受け入れていただけたように感じています。
こうした日々の積み重ねが、空き家の所有者の方々との信頼関係につながり、「この人になら任せてもいいかな」と思っていただけるきっかけになったのではないでしょうか。
所有者へのアプローチと今後の課題
空き家の調査では、122件のうち89件の方から回答や面談をいただくことができました。
一方で、33件は回答なしや所在不明という状況です。
町外在住所有者へのアプローチ
町外に住んでいる所有者の方には、39件の郵送を行いました。
空き家バンク登録の意向確認、町の補助事業の紹介、法律改正の資料送付などを通じて、継続的なコンタクトを取っています。
町内在住者への訪問活動
町内に住んでいる方には83件の訪問を行い、同様の資料を持参して直接お話を伺いました。
顔を合わせて話すことで、より深い相談や具体的な検討につながるケースが多かったです。
残された課題
ひとりぼっちになっている住宅には、それぞれ深い理由があります。
相続の問題、家族の思い出、経済的な事情など、簡単には解決できない部分も多くあります。
次年度は、こうした課題を一つずつ解決していけるように、独自のネットワークを創ったり、プロジェクトに参加したりしながら、「空き家再生・活用から地域おこしへ」と活動を進めていきます。
空き家バンク事業の改善と充実
1年間の活動を通じて、空き家バンク事業にもいくつかの改善を加えました。
バンク掲載要項の追記
平取町空き家情報バンク登録申請書に、より詳しい条項を2件追記しました。
これにより、所有者の方も利用希望者の方も、より明確な情報をもとに判断できるようになっています。
運用の細部要領を新規作成
空き家バンクの運用について、細部要領を全7件新規作成しました。
これまで曖昧だった部分を明文化することで、よりスムーズな運営が可能になりました。
空き家バンクサイトの充実
サイトの内容も充実させました。
ハローワークリンクの貼り付け、リフォーム費用の試算シート(オリジナル)、取得税等の情報シート、平取高校の地域みらい留学の情報、平取町公営塾「びらとり義経塾」の紹介、部屋面積等の概算基準、所有権移転費用等の基準資料など、利用者の方が必要とする情報を網羅しました。
特にリフォーム費用の試算シートは、「だいたいどれくらいかかるの?」という疑問にすぐに答えられる便利なツールとして好評です。
平取不動産ネットワークの構想
今後の展開として、「平取不動産ネットワーク」の構築を考えています。
これは、所有者・管理者、転居希望者、移住希望者、事業者(社)の4者が連携して、町内の住環境問題を改善していく取り組みです。
3者で分担して改善する仕組み
空き家物件の活用拡大と移住・定住者の拡大で町を活性化させるため、それぞれの立場でできることを分担します。
所有者には、未活用住宅の改修提案、町補助金等のサポート、金融機関と連携する事業所との連携、金銭的負担の一時請負などを提供します。
平取町は、町のシステムを使用した未活用物件の情報調査、所有者等の現状確認と意向調査、活用施策等の説明、法的手続きのサポート、建設事業所と所有者等の連携サポートを担当します。
事業所は、地域問題の解決、住環境整備により職員雇用の拡大、町内事業者の連携強化と売上、町の魅力化に貢献します。
この3者が協力することで、空き家問題の軽減、移住・定住者の増加促進、そして町全体の活性化につなげていきたいと考えています。
次年度の計画:5つの柱
2026年度に向けて、5つの柱を立てて活動を進めていく予定です。
1. データ更新
水道資料等を活用して、本町近隣の物件を発掘し、登録を促進していきます。
より多くの活用可能な物件を見つけ出すことで、選択肢を増やしていきます。
2. 町外所有者とのコンタクト
札幌圏内までの出張訪問を実施します。
直接お会いしてお話を伺うことで、郵送や電話では伝わりにくい思いや事情を理解し、より適切な提案ができるようになります。
3. 予備物件の確保
各種サークルでのコミュニケーション、地域相談会の継続実施を通じて、今すぐではなくても「将来的には」と考えている所有者の方々とつながりを持ち続けます。
4. 地域住民・企業所との連携、ネットワークの構築
前述の「平取不動産ネットワーク」を本格的に動かしていきます。
地域全体で空き家問題に取り組む体制を整えていきます。
5. 角度を変えたアプローチ:空き家・店舗の観光活用
住宅としての活用だけでなく、観光資源としての活用も視野に入れていきます。
日高地域では「H2プロジェクト」として、空き家や空き店舗を観光・関係人口の増加に活用する動きもあります。
平取町の魅力を発信し、「訪れてみたい」「住んでみたい」と思ってもらえる取り組みを進めていきます。
4月からは新規事務所でスタート!
そして4月からは、庁舎を出て空き店舗を活用した「新規事務所」をスタートします。
場所は平取町本町50-1(旧上山商店)です。
「気楽に、愉快に、着々と」をモットーに、また新しい環境でスタートさせていただけることに感謝しています。
ぜひ気軽にお立ち寄りください。
コーヒーでも飲みながら、空き家のこと、移住のこと、地域のこと、何でもお話ししましょう。
まとめ:「天・地・人」と「土地を愛し・人を愛し・仕事を愛する」
地域おこし協力隊として空き家コーディネーターを始めて1年。
知識も経験もない状態からのスタートでしたが、「天・地・人」と「土地を愛し・人を愛し・仕事を愛する」という理念をもって、地域の皆さんとの交流を楽しみながら過ごすことができました。
21件の登録と10件の成約という数字以上に、地域の皆さんとの信頼関係を築けたこと、「ひとりぼっちの家」に再び灯りをともせたことが、何よりの喜びです。
空き家問題は、一朝一夕には解決できません。
それぞれの家に、それぞれの物語があり、それぞれの事情があります。
でも、一つずつ丁寧に向き合っていくことで、必ず道は開けると信じています。
次年度も、地域の皆さんと一緒に、「ひとりぼっちの家」を減らし、平取町をもっと魅力的な町にしていきたいと思っています。
応援よろしくお願いします!
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